船に関するQ&A
船に関するよくあるご質問
- 船の速さはどう表しますか?
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まず、海での距離は「海里(マイル)」という単位を使います。
陸上にもマイルという単位がありますが、陸上の1マイル(約1,609m)に対して、海上の1マイルは1,852mになります。
これは、地球上で緯度45度における緯度差1分(1´)の長さを海の1マイルとしているためです。そして、船が1時間に進む距離(マイル)はノットで表されます。1時間に1マイル走る速さが1ノットです。
船は、海図を使って航海をします。海図は全て緯度と経度で示されているため、海図上で船が進んだ距離や港までの距離を調べる場合には、マイルに対応したノットという単位を使うと大変便利なのです。
- 船にはどんな種類がありますか?
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船には、用途によって様々な種類があります。
例えば、商船(貨物船・客船・フェリー・連絡船など)、作業船(タグボート・浚渫(しゅんせつ)船・サルベージ船など)、漁船(各種漁船・捕鯨船・トロール船など)、特殊船(海底ケーブル船・気象観測船・深海調査船・練習船など)および艦艇(航空母艦・巡洋艦・護衛艦・潜水艦など)などがあります。
- 船にはブレーキがありますか?
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多くの船には、ブレーキと呼ばれる装置はついていません。
船体を止めるにはプロペラを逆転させるか、可変ピッチプロペラであればピッチを変え、後進方向に推力を出すようにして止めます。
停止性能の基準は、全速で走っていた場合、船体の長さの15倍以内で止めることになっています。(200mの船の場合は3kmとなります)
- 船のプロペラを回す原動力は、どんな種類があるの?
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- ・軽油、A重油、C重油の燃料をピストンで圧縮点火の爆発を利用して回す
「ディーゼルエンジン」 - ・ボイラーで蒸気(高圧水蒸気)を作り、その水蒸気の圧力を利用してタービン(羽根)を回す
「蒸気タービン」 - ・飛行機にも搭載されている、1本の軸に圧縮用のタービン(羽根)と爆発燃料用のタービン(羽根)を設けて高出力高回転で回す
「ガスタービン」 - ・発電機からの電力を利用してモーターを回す
「推進モーター」
があります。
- ・軽油、A重油、C重油の燃料をピストンで圧縮点火の爆発を利用して回す
- 船の中の電気はどのように作られるの?
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船には必ず発電機という小さな発電所が設けられています。
発電機は、ディーゼルエンジン・蒸気タービン・ガスタービンでモーターを回すことにより電力を発生させて、電気を作り出すことが可能になります。
前項にもあった「モーターでプロペラを回す」を逆に利用した装置です。
- 船は航行中にどうして波に揺れないの?
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船底近くにあるフィンスタビライザーが揺れを抑えています。
フィンスタビライザーとは、船底の両舷(左右)に魚のヒレのような金属板が突き出しており、航行中に船内で感知した揺れをヒレ(金属板)で受けた水流の揚力を利用して安定させ、船内を安全快適にする装置です。
- 離岸、接岸するときに船が横方向に動くのはどうして?
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船の前側及び後側にあるスラスターで横に動かしています。
スラスターとは、左右方向にプロペラ装置で通常航行時には後側(船尾)に前後方向に向いたプロペラが回り航海をするのですが、離岸及び接岸時には不向きなため、スラスターのプロペラを利用して微調整で横向きに動かせます。
※前側のをバウ(船首)スラスター、後側のをスタン(船尾)スラスターと言います。
- コンテナ船はどうしてコンテナの積載している数が違うのに同じ高さでいられるの?
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船の各箇所のバラストタンクで高さを一定にしています。
バラストとは、重量を増やしてバランスを取るといった意味で、コンテナの増減に合わせてバラストタンク内に海水を入れることにより、船の高さを調整し一定に保ちます。
- 航行中のお水はどうしてるの?
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船内には、大きく「海水、清水、飲料水」の三種類があります。
海水は、言うことなく海からもらい主にトイレなどに利用します。
清水は、清らかと書いてありますが飲むことはできないシャワーなどに利用する水で、船内の造水装置で海水から作る水です。
飲料水、この水は航海前に陸から運び入れる飲み水です。